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ヴィヴィオ 凍結路 [ヴィヴィオ]

こんにちは、亀仙人です。(^^);

引退してしまいましたが愛車ヴィヴィオの話をします。


亀仙人は若い頃に少しラリーというものをたしなみましたので、クルマ人生の
スタートはダート、つまり滑りやすい路面から始まりました。


その後紆余曲折を経て(笑)、歳のせいで(主に目の劣化)スピードを上げて
走れなくなったので、再び滑る路面に戻ってきました(笑)。


趣味は山走りなのですが、主に酷道・険道の探索(笑)と延々と1000km以上も
山道を走るのが主体でした。(月4000kmも走っていました;)


そして冬の山道といえば雪道です。
4WDでスタッドレスなので圧雪であればまず問題はありませんが、雪道を
年に10000kmも走るといろんな場面に出くわします。


それが平成○年2月15日の岐阜県のR156ひるがの高原の峠でした。
そこは厚さ10cmほどの氷が透けてツルツルテカテカ光る、氷の峠でした。

この峠にさしかかったときは40km/hでハーフスロットル(これ重要)で走って
いたのでグリップしていましたが、目に見える光景とグリップ感に差があって
違和感を感じたので、ブレーキテストをしてみました。

実際はブレーキテストをしようとしてアクセルから足を離した瞬間に4輪とも
ツツツツツ・・・っと滑り始めました。ここでびびってブレーキを踏んでしまうと
あぽーんしてしまうので、再びハーフスロットルに戻しました。
するとクルマの挙動は安定し、ハンドルを切ると曲がれます。

アクセル離すと滑り出す、ハーフスロットルだとグリップする。
おもしろいので何度か繰り返してしまいました。


しばらく行くと雪壁に刺さっている軽トラがいました。
止まらないといけないのでブレーキを踏むわけですが、アクセルを離した
だけで滑る路面なのでブレーキは全く使えません。(汗~

滑りながらも方向をコントロールしながら、引きつる兄ちゃんの横を通過して
30mほど向こうでなんとか停止し、向きを変えて(一苦労だが)軽トラを
照らす位置に停め、チェーン巻きを手伝ってあげました。

しかし、下りの凍結路とはいえ、完全停止するまでに80mもかかるとは
超一級のツルツル路面に出くわしたことになります。


兄ちゃんを見送った後、結局この峠のツルツル区間を数往復しました(笑)。
これほどの路面に出会うことはまずないので、ここでなんか感触をつかんで
おけば何かの役に立つかなという感じです。

分かったことは、ミューがゼロなのでハンドルもブレーキも全くきかない。
しかしハーフスロットルで路面とタイヤの速度が一致していればハンドルも
効くし挙動が安定していました。

つまり、ミューがゼロの路面でもタイヤが転がっていればクルマはそちらに
向かうので、転がり抵抗の方が小さいということだと思います。

普通なら100km/h以上で起きるようなことが、目の前で時速20km/hで
起きていました。スイートスポットは20~40km/hあたり。この範囲だと
アクセルワークで滑らすのもグリップも自由自在にできました。

タイヤの転がりというのはドライビングの本でもよく出てくる言葉ですが、
ここはまさしくタイヤのグリップと転がりの境目であることが実感できました。

今までもダートや雪道などの滑る路面や多く走ってきたし、ドリフトなる
ものも一応はできるのですが、ミューがゼロというのはさすがに初めてです。



ここで理論的な裏付けを・・・
タイヤのグリップは縦横足して100%と言われています。
フルブレーキでタイヤががロックしたり、アクセル全開でホイルスピンして
いる状況では縦方向に100%使い切っているので、横方向のグリップは
残っていません。だからフルブレーキ中にハンドルを切って回避しようと
してももう曲がれないのです。

逆に縦横100%の範囲内だとタイヤの性能を全部使えます。
そこで、カーブでハンドルを切り始める前にブレーキングを終了させる。
ブレーキとハンドルを同時に使わないということを行なうと、タイヤが鳴く
こともないし、タイヤが滑ることがなくなります。

昨今はタイヤの性能が飛躍的に向上して、ハンドルとブレーキあるいは
ハンドルとアクセルを同時に操作しても、かなりのレベルまでタイヤが
受け止めてくれます。

これは安全に貢献しているのですが、普段タイヤのグリップに頼って
正しくない操作が身についてしまうと、いざという場面に出会ったときに
正しい操作ができません。

滑ると危ないからという理由で性能のいいタイヤを履いていると、滑った
ときの対処が身につきません。そもそも何をすれば滑るのかという
ことが理解できません。

ハンドルを切った分ブレーキを緩める。あるいはブレーキを踏むなら
ハンドルは戻す(最低でも切り足さない)ということができれば、大きく
破綻することは避けられます。

それをもっとも体感できるのが雪道などの滑る路面です。
究極が凍結路面ということです。


亀仙人はもともと雪道は好きでしたが、凍結路は少し苦手でした。
その苦手の理由がこのとき分かりました。ごまかしがきかないんです。
マージンが全くない、アクセル・ブレーキ・ハンドルの操作が高次元で
バランスしていないといとも簡単に破綻してしまうのです。

雪道は雪の抵抗が少しあるので、滑ってしまっても少し立てば戻って
きますが、凍結路面はこれがありません。だから一度滑ってしまうと
滑りっぱなしにあります。頭の中の止まって欲しいという気持ちと実際
の減速の具合が差がありすぎて、恐怖になってしまうのです。

ダートや雪道で滑って面白いという人はまあまあいますが、この
少しあるグリップのおかげでごまかしがきいているだけです。
ツルツルの凍結路を経験するとこのごまかしがありません。


では何が正しいのかという考察を入れるのが亀仙人流です。

  ・基本は縦横100%の範囲内でタイヤを使う。
  ・パニック時でも100%を超えないようにコントロールする技術を
   身につける。
  ・ドリフトなどの特殊なテクニックは、この100%の内外でタイヤ
   のグリップをコントロールすることだと知る。


そして、100%のレベルを変えるのが荷重移動です。

  グリップ力=摩擦係数×荷重

摩擦係数は変えれませんが、荷重を増減きればグリップ力を
コントロールできます。

よく話題に出る荷重移動は、タイヤのグリップをコントロール
することにほかなりません。

うまい人はこれらの理論・理屈抜きに肌感覚だけでタイヤの
グリップを理解しているようです。亀仙人は理科系なので理屈で
詰めていく方が性に合っているのでこのように結論づけました。


さて、この亀仙人の理論を実現するために行なったのが
「コップの水大作戦」です(笑)。

コップの水の話題はモータースポーツをやっている人や本当に
運転がうまい人は出来る人がいますが、頭の中だけ、一瞬だけ
という人も多いです。亀仙人が目指したのは24時間すべての
コーナーで実現出来ることでした。


実際にコップの水でやってこぼれると大変なので(笑)、蓋付き
の容器を準備しました。水だと透明で見えないので、クーラント
を入れました。(泡立ちもなくていいみたいです)
そして、夜でも見えるようにLED照明をつけました(笑)。

これを必殺秘密兵器として日常走行で黙々と練習し、
なんとか液面を一定にキープする運転が出来るようになりました(汗)。


すると、凍結路面が驚異的にグリップするようになりました。
当然、日常の運転でタイヤが鳴いたり滑ったりすることもなくなり、
タイヤのカドが減らなくなりました。タイヤをどれぐらい使っているか
が分かるようになりました。

雪道ではごまかせても凍結路では無理。
この違いを理解することで走りが変わりました。


aa23.jpg
画像はR476 木の芽峠です


結果よかったことは、
年寄りを乗せた時に喜ばれます(笑)。




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